3Dプリンターをすでに導入されているお客様でしたら用途や使い道はお分かりなのですが、まだ導入されていない方あるいは興味はあるけれどどのような使い道があるのだろうかと迷われている方にとっては導入後のイメージがわきにくいといった声が多く聞かれます。
そこでニンジャボットを実際に導入されているお客様の事例をお届けできるようにユーザーの声のコンテンツを作りました。
徐々に様々なお客様の事例紹介を増やしていきたいと思います。
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3Dプリントした小型の掃除機
3Dプリンターでちょっとしたおもちゃを作るということは海外の人たちはDIY精神が旺盛なのでよくやります。
日本だと「そんなの100均で買った方が・・・」となりがちなのですが、たまたまネット上に小さい掃除機のデーターがあったのを見つけたので遊び半分、ニンジャボットで作ってみました。
部品ごといろんな色で作りました(ホントは余っていたフィラメントで作ったから(笑))
部品は全部で14個。このデーター比較的よくできているせいかどれをプリントしても比較的綺麗にできるようにデザインされています。
で、3Dプリンターによく使われている冷却用の12Vの40㎜のファンが取り付けられるようになっていましたのでつけてみました。スイッチは入手できなかったのでコードは直付です。
一応ファンを回すとかすか~に吸い込みますが、消しゴムカスくらいの物でもいったん吸い込んでも奥まで吸い込むほどの力は有りませんでした。
まあ、仕方ないですね。この程度のファンですから。
吸い込んでるのを分かるようにするために、苦肉の策で薄~いビニールを吸いつけてみました。これなら何とか持ち上がりました。
こんなモデルでも学校での教材程度には使えそうですね。
3Dプリンターがあればこの程度のものは簡単に作れます。
フレックスフィラメントのサポート
PLAやABSといった一般的によく使用されるフィラメントはちゃんとした硬さを持っている。
でも、世の中にはゴムのような柔軟性を持ったフィラメントも売っている。
いつもとは違った『柔らかさ』を持った造形ができる!!
プリント品なのにゴムみたい!!
と、ココロ踊るような?イメージが
ABSなどに比べると割高なフレックス系のフィラメント
勇気を出して買ってみて、いざプリントとなった時にふと気になることが
『サポートどうするんだ??』
いつものフィラメントならパキパキ取れていく
2ヘッドなら、サポート用の樹脂を用意すればいい(それも大変だけど)
シングルヘッドの場合。
柔軟性があるとパキパキとはいかない
サポート用の樹脂なんて使えない
フレックスタイプでモデルとサポートを造形するしかない
後のことは後から考えればいいや。ということで造形してみる。
やっぱり、サポート取れない
ニッパで少しづつ切り取ってみる
これはいい方法。でも手間がかかる。
そこで、ちょっとした工夫。
出来上がったプリント品をそのまま冷凍庫に入れてみる
充分冷やすと、樹脂が硬くなる。
パキッとまではいかないけど、常温よりは随分と取りやすくなる
自分の体温で暖まったら、また冷凍。
この作業、時間はかかるけど意外と綺麗に取れることが多い
でも、全体が冷えて硬くなっているので、思いっきりサポートを引っ張ると、肝心なモデルの部分が破損することも。
この辺りは、『適度に』。
今回の文章だけを読んでみると、なんだか難しそうなフィラメントなんだなって印象になるかと思います。
ここはハッキリと知りたいところ。
難しいです(笑)
PLAよりも造形スピードを遅くしないととか
テーブルにうまくくっつけないととか
糸引きがとか
最初に考えなくちゃいけないことが結構あります
だからこそ、出来上がった時の達成感や喜びは本人にしかわからないものがあります
そんなチャレンジを応援するために
ニンジャボットでは
300g巻きのフレックス系フィラメントを数量限定で準備しました
ちょっと試してみたい方、是非お問い合わせください。
3Dプリンターではいろいろな作り方があります
3Dプリンターでは3次元CADで作ったデータに基づいて立体物を造形するわけですが、3次元CADで作ったデーターは形の情報しか持っていません。
例えば次のサイコロの形は『縦横高さが〇〇㎜の立方体』というだけです。でも実際には中身がびっしり詰まっているサイコロもあれば、中身が無くてスカスカな中空のサイコロもあるわけです。
そこで3Dプリンタで物を作るときにはその形をどのように作るのかを作る側が決めてあげなくてはなりません。
例えば中味の密度を100%に指定して作ると次のように作ります。
次に中身を中空つまりスカスカな状態にして作ると
その中間ですと中身がメッシュ状になるなど作り方はいろいろできます。
さらに、上記の3つ例では周囲の外枠の壁を1周作り、中身を埋めるという作り方をしていますが、外枠の壁を何周も回して丈夫な壁を作るという方法も可能です。下の例では壁を5周描いています。
この様にひとくちでサイコロといっても作り方によっていろいろな作り方ができ、基本的にはどうやって作るかは作る側が自分で決め無くてはなりません。プリンターが勝手に決めてくれるわけではありません。
樹脂を積層するタイプの3Dプリントの基本的な原理
3Dプリンターと一口に言っても色々な方式がありますが、溶かした樹脂(プラスチック)を薄く1層ごとに積み重ねていくタイプの3Dプリンターが現在の市場においては最も台数が普及していて一般的なタイプといっても過言ではありません。
しかし、実際の3Dプリンタを真近で見たことがない方にとっては3Dプリンタで立体物が作れると聞いてもどのようにして作られるのかいま一つよくわからない方も多いかと思われます。
そこで簡単に原理を説明させていただきたいと思います。
まず、樹脂積層タイプの3Dプリンターは上からひも状の固く細いプラスチックを押し込んで、加熱したノズルでそれを溶かして先端からにょろにょろと細く押し出します。これを面状に塗り拡げて、その面を何層にも積み重ねて立体物を作り出します。
この押し出された樹脂の直径は標準で0.4mmφくらいが多いです。
これがプラスチックが押し出されてくる様子です。動画で見てみましょう。
上の方にある細いブルーのひも状のプラスチックを歯車で挟んで下に送り込みノズル部で溶かして先端から押し出しています。押し出された直後は柔らかい状態ですが冷えるとすぐ固まります。
この僅か0.4mmの直径で出てくる溶けた『線状』のプラスチックを造形テーブル上に端から置いていき、それを『面』にして、その面を何層にも積み重ねていきます。けっこう時間がかかる根気のいる作業です。
ここからは造形される様子をCG動画で見てみましょう。CG動画で見ると分かり易いです。まずは簡単な形状の四角いサイコロのような形を細い線状のプラスチックでどうやって作っていくのかご覧ください。
3Dプリントの基本的な方法はまず外周部をなぞり、その内側を端から塗り潰していきます。鉛筆で塗り絵をするような感覚です。塗り絵の場合は厚みがありませんが、3Dプリントの場合は絵とは違うのでほんのちょっとだけ厚みがあります。この厚みが積層ピッチと呼ばれるもので1層の厚みです。特別な場合を除き、大体この1層の厚みは0.1~0.2mm程度にする場合が多いです。
幅0.4mmの細い線を0.1mm位の厚さで端からずっと延々と並べて面を作るという気の遠くなる作業です。これをひたすら繰り返し、面が塗り潰せたら1層分の厚みだけ上にあげてまた同じことを繰り返します。
ですので仮に1層の厚みを0.1mmに設定して高さ10センチのものを作ろうとすると実に1000層も重ねることになります。
けっこう地道な作業なのです。
ちなみにもう少し複雑な形の場合はこちらです。ペン立てです。
サイコロみたいな簡単な形じゃなくても立体物が出来上がる原理がおよそイメージできるかと思います。
フィラメント
フィラメント (filament) とは細かい糸状の構造を指す。ラテン語で糸を意味するfilumに由来する。
とウィキペディアに記載されています。
FDM方式の3Dプリンタ-の熱可塑性樹脂糸もフィラメントと呼ばれます。
主な樹脂はABSそしてPLA。
昔から様々な製品で用いられているABS。
原材料の入手が容易なこと、出力したものが完成品と同じ樹脂で作れるなどの理由があるそうです。
そしてPLA(ポリ乳酸)。
農作物由来の樹脂で、生分解性プラスチック。
FDM方式で造形した際、ABSよりも反りにくく造形性がいい。
と、数多くあるフィラメントの一部だけを抜粋してみましたが、
世の中にはホントに多くのフィラメントが流通しています。
ABS、PLAについてもメーカーによって考え方が異なり、造形性や性能、色、艶などが異なります。
3Dプリンターを購入したけれど、どうもうまく造形出来ない。
造形結果に納得がいかないといった場合、
使用しているフィラメントを変えてみるというのも一つの方法です。
形状、設定方法等によって様々な組み合わせがあります。
造形の趣旨は変わってしまいますが、ピッタリなフィラメントを探してみるのはいかがでしょうか?
ニンジャボットではPolymaker社のフィラメントを取り扱っております。
それ以外にも、気になるフィラメントありましたら、ご相談ください。
多くのフィラメントの取引実績がありますので、お力になれると思います。
三次元CADセミナーを開催いたしました
弊社店舗にてCADセミナーを開催いたしました。
今回は、大学院生が受講されました。
CADといえば、
「三次元CADって難しそう」
「専門家が使うソフト」
「高いから手が出ない」
このようなイメージを持たれている方、多いのではないでしょうか。
実は、そこまで難しくないのです。
この『難しくない』という部分をわかって頂くためのセミナーです。
「でも、ソフトが高い」
そうなんです。高いソフトは車が買えるくらいの値段が・・・。
ところが、学生や個人、一部の事業をされている方向けに無料~低価格で提供されているソフトがあるのです。
セミナーではその中の、『Fusion360』(AUTODESK社)をもとに
説明をしております。
CADソフトの使い方の流れはソフトが変わっても、似たような使い方のものが多いです。
使い方を理解していけば、『難しい』イメージは減っていくと思います。
とはいえ、いきなり自動車を作りたいとか、ロケットを作りたいというところまではいけません。
使い方を覚えながら一歩ずつ進んでいきましょう。
自分がパソコンの画面上で作り上げたものを実際に作ってみる方法の一つとして3Dプリンターがあります。
セミナーでは作った3Dモデルを実際にプリントするところまで含まれています。
なんとなくイメージしていたものを、もっと具体的に考えられるお手伝いができればと考えています。
定期開催しておりますが、少人数制での開催のため、
予め確認して頂ければ、定期開催日以外でも対応可能です。
不明な点はお問い合わせください。
プリントヘッドの外し方
プリントヘッドが詰まった場合や古くなって新しいものに交換する場合の外し方です。
*注意点
アクリルパーツの組み付けの際のねじ締めはあまり強く締め付けないようにしてください。強く締め付けると割れてしまいます。軽くテンションがかかる程度で十分です。ネジを締めつけてアクリルパーツがやや撓んだ時に発生する反発力や靭性でテンションが掛かりネジが緩まないように設計していますので、その程度で十分です。
①フィラメントプレッシャーの押さえネジを緩めます
②フィラメントプレッシャースプリングを横にずらしながら外します
③オブジェクト冷却ファンの取り付けベースのネジを緩めて外します
④ヒートシンクの冷却ファンを外します。前方に引っ張れば外れます。
⑤図のネジを左右緩めます
⑥アクリルのプレートを外します。
⑦アクリル部品をつまみ図のようにプリントヘッド全体を前方に引出して外します
⑧図のネジを少し緩めます。半周から1周程度で十分です。
⑨アクリルプレート3枚のうち真ん中の一番小さいプレートを外します
⑩真ん中の一番小さいプレートを外すとプリントヘッドが外れます
⑪この状態でプリントヘッドの清掃または交換などを行い、再度組み付けます。(清掃、交換等は別のトピックを参照ください)
⑫アクリルパーツをこのような状態に仮組みし(ネジは小さいプレートの下側からしめつけます)、プリントヘッドを図のように組み付けます。
⑬上下のプレートの間に⑩で取り外した小さいプレートを差し込みます
差し込む向きは以下のようにします
真ん中の大きいU字型の切り欠きがプリントヘッドの直径が一回り細くなっている部分にはまり、小さいU字の切り欠きが左側のネジをまたぐようにはまります。
⑭再度ネジを締めこみます。強く締めこむ必要は有りません。真ん中のプレートが抜け出てこない程度、プリントヘッドを指で回転させられる程度の締め付けで十分です。
*軽く抵抗がかかる程度で十分です。強く締めすぎると割れてしまいます。
⑮切り欠き部にはまるようにプリントヘッドを設置し、前方から押さえのプレートをはめ込み、取り外したのと反対の手順で各所ネジを締めつけます
以降は取り外したのと逆の手順で組み付けてください
*注意点
アクリルパーツの組み付けの際のねじ締めはあまり強く締め付けないようにしてください。強く締め付けると割れてしまいます。軽くテンションがかかる程度で十分です。ネジを締めつけてアクリルパーツがやや撓んだ時に発生する反発力や靭性でテンションが掛かりネジが緩まないように設計していますので、その程度で十分です。
ノズルが詰まった時の交換方法
ノズルが詰まった時の基本的な交換方法です
ノズルが詰まった時の基本的な交換方法です。ノズル詰まりの多くはプリントヘッドの先端のノズルの部分が詰まっていることがほとんどです。ノズル自身の詰まりを除去する方法もありますが、今回は最も安心な新しいノズルへの交換方法をご説明いたします。(口径が違うノズルへの交換も同様にして行います)
ヘッドを加熱しフィラメントが抜ける場合には抜いておきます。抜けない場合にはそのままで短くカットしておきます。
*以下の作業ではヘッドを加熱した状態での作業が多いためくれぐれも火傷にはご注意ください。耐熱手袋などの着用をオススメします。
①○部のネジを外しオブジェクト冷却ファンを外します。
②この状態でノズルを外しますが、使用しているヘッドの場合ヘッドの内部が樹脂で固まっているので先端のノズルが緩みにくいため、交換するヘッド側を180~200℃程度に(樹脂が軟化する程度)ヒートアップ(加熱)します。
四角いアルミブロックをモンキーレンチなどで押さえて共回りしないようにしながら先端のノズルを緩めます。
(いったんヒートアップ出来たら加熱は止めてもかまいません。加熱すると金属部が膨張しネジ部が緩みやすくなりますのでまだ金属部が温かいうちに緩める作業を行うと外しやすくなります)
③ノズルが外れました
*くれぐれも火傷に注意してください
*プリントヘッドに詰まったフィラメントはこの段階で押し出すと下に抜けてくることが多いです。
④外したのとは逆の手順で新しいノズルを取り付けます
取り外した時と同様に四角いアルミのヒートブロックをレンチ等で固定しながらノズルをしっかりと締めこみます。締め込みが緩いとフィラメント漏れが発生しますので十分に締めこんでください。
⑤新しいノズルに交換できました
⑥この後は再度元の位置にオブジェクト冷却ファンを取り付けて交換終了となります。
*注意点
プリントヘッドは全体として以下のような部品の構成になっています。
四角いアルミブロックに対し上部からヒートブレークを下からはノズルをねじ込み、アルミブロックの内部でヒートブレークとノズルがしっかりと接するように組み付ける必要がございます。
何かの都合で↓のように内部でヒートブレークとノズルの面が接していない状態になると溶けたフィラメントが漏れ出てくるようになります
下の図のようにアルミブロックの内部でしっかりとヒートブレークもノズルも接していればいいのですが
↓この図のように上からのヒートブレークの締め込みが甘いと、下からノズルをいくら締めこんでもノズルのつばがアルミブロックに当たりそれ以上締めこめない為ヒートブレークに接触させられずフィラメント漏れを起こします。
どちらかと言えば↓下の図のようにヒートブレークを少し余分に締めこんでおき、下からノズルを締めこんだ時にノズルのつばがアルミブロックに当たる少し前に先にヒートブレークに接触するくらいの方が間違いない方法です。
テーブル面とX軸の平行調整方法
テーブル面とX軸が平行でなくなった場合の調整方法です。
ニンジャボットNJBシリーズ(旧FDMシリーズ)はテーブルは基本的に左右には傾かないのでX軸側をテーブル面と平行に調整するような構造になっております。仮に平行でなくなった場合にも左右の黒いネジを少し回すだけで平行は簡単に調整できるようになっています。
①エクストルーダーをホームポジションの位置にセットします
②その位置でノズルの先端とテーブルの隙間の距離が見やすいようにお好みで適宜エクストルーダーを少し上に上げます。
LCDコントローラーでの作業としては 『Prepare』→『Auto Home』→『Prepare』→『Move Axis』→『Z 0.1㎜』を選択しお好みの距離だけエクストルーダーを上昇させます。
③電源をOFFにして指でそっとエクストルーダーを右に動かします。
(電源OFFにしないとエクストルーダーが動かせません)
④この場合ですとエクストルーダーが右端に来た時の方がテーブルとノズルの隙間が広くなっています。
↓右端
↓左端
⑤右端に来た時にエクストルーダーがテーブルから離れているのでZ軸の黒い台形ねじを上から見て少しずつ反時計回りに回します(今回の場合)。そうすることでX軸が下に下がります。回すと行っても何回転も回すほどではありません。
上から見て時計回りにネジを締めこむ方向に回すと金色のナットが上に上がります。逆に回せば逆方向に動きます。通常のボルトとナットの動きを想像していただけるとご理解しやすいかと思います。
黒いネジを1回転回すと1.5㎜金色のナットが上下します。
⑥距離が近づきました。
↓調整後
↓調整前
⑦これを何度か繰り返し目視でだいたい左右で隙間が同じくらいになる程度にテーブル面とX軸の平行を調整します。
ただしこれで調整できたのはテーブル面とX軸の平行だけですので通常の『テーブル面とノズルの距離』自体の調整は別途X軸調整ダイヤルにて行ってください。