メインフレームを拡大することでどこまでも大きくできそうなイメージがありますが、現行のニンジャボットFDMシリーズにつきましては成型テーブルサイズが300x300程度が上限だと考えております。
その理由は大きく分けて3つ。
(1)あまり大きくしすぎると成型テーブルの水平精度が確保できにくい
現在のニンジャボットは精度のいいアルミフレームに2本のシャフトでテーブルを支える安定した構造により成型テーブルの水平度を確保し、テーブルの素材もアルミ板のベースに平滑度の高いガラスカバーを使っていますが、いくら平滑度の高いガラスとはいえガラス板そのものは全くフラットではなく表面平滑公差が±0.2㎜程度はあり、ガラス板を大きくすればするほど物理的に平滑度の確保が難しくなります。3Dプリンターの樹脂が溶け出てくるノズルと成型テーブルの隙間(クリアランス)の調整は一般に約0.1㎜程度が適切とされ、その隙間を微調整します。よってガラス板そのものの表面平滑度の影響は大きく、あまりテーブルが大きくなりすぎると平滑度の許容を超えてしまうためテーブルへ造形物を付着させるのがかなり微調整が必要となってしまいます。
(2)テーブルが前後に動く構造のため筐体のサイズがとても大きくなってしまう
(3)サイズが大きいと極端に造形時間が長くなる
時々造形サイズを500x500x500㎜や1000x1000x1000㎜のものも作れないかというお問い合わせをいただきます。ごく大雑把に言ってしまいますが、500x500x500㎜くらいのサイズのものを作ろうとした場合、造形時間が5日~1週間くらいかかってしまうのが現状です。
また、現時点での3Dプリンターはいまだ成型が100%成功するわけではないのが実態ですので、数日かけて制作したものが途中でうまくいかなくなったりした時の時間と材料費の損失が大きすぎるので、やみくもに造型エリアを大きくするのが最善策ではないと考えられます。
また、そもそもうまくいくとしても、1つのものを作るのに1週間という時間がかかるものって加工方法としてどうなのか・・・という問題もあります。
よって大きなものを出力したい場合には現時点ではパーツを分割し、リスクを軽減して出力することをお勧めしております。
上記のようなことを踏まえまして、ワークサイズは300x300x300程度が現時点での上限とさせていただいております。この範囲であればサイズ変更に対応が可能です。
では「絶対にこれ以上はできないか」と言えばそうではなく、上記以上のサイズや仕様に関しても対応させていただきますが、構造から全く新しいものを開発するという形でのご対応になります。
そのようなご相談もお請けできますので、お気軽にご相談ください