インタビュー/株式会社イエロー 関口直人様

ユーザーインタビュー

株式会社イエロー 関口直人様
インタビュー日:2018年1月19日金曜日
株式会社イエロー 関口直人様
3Dプリンターを導入した事で
時間をセーブする事が可能になりました。

3Dプリンターを導入した理由

当社は折りたたみ式ヘルメット「タタメット」シリーズを中心に製造販売しているメーカーです。製品の企画・デザインから販売まで一貫して行っています。
2008年から主力製品のタタメットシリーズを販売しており、これまでに「タタメット」、「タタメットズキン」、「タタメットBCP」、スタッキングヘルメット「カクメット」などの製品をリリースしています。

3Dプリンターを導入した理由ですが、まずは試作品用の部品作りです。これまで試作品の製造はすべて手作業で行ってきましたが、3Dプリンターを使う事で大部分の手作業をリプレースする事が出来ました。
また、生産の工程で使う冶具も3Dプリンターで作っています。他のメーカーでも冶具作りに3Dプリンターを使っているところが多いと思いますが、当社のそうした会社の一社です。

イエロー様の主力製品「タタメット」

3Dプリンターの利用頻度、デザイン、素材などについて

 当社における3Dプリンターの利用頻度ですが、私を含めた開発担当者はほぼ毎日何らかの形で3Dプリンターを利用しています。
当社ではNinjabotの200シリーズと300シリーズの2台を使っていますが、出力するものに合わせて使い分けています。
表面の仕上がりにある程度のクオリティが必要な時は200シリーズを、大型のものを出力する時は300シリーズを、といった具合です。

部品の設計作業は主にRhinocerosという3DCADソフトで行っています。Rhinocerosで作成した3Dモデルをスライサーソフトでg-code化し、Ninjabotで出力しています。
私自身、今の仕事に携わってまだ1年ですが、今ではNinjabotをそれなりに使いこなせています。Ninjabotはとても使いやすく設計されていると思います。また、使っている素材はPLAがメインです。
ポリメーカーのPolyPlusを主に使っています。

3Dプリンター導入のメリット

3Dプリンター導入のメリットですが、作業のスピード化、効率化が第一です。人間が手作業でやるのと、3Dプリンターで出力するのとでは精度も違います。
3Dプリンターで出力し、実際に手に取って確認しながら作ってゆく事で全体像をより具体的にイメージする事が可能になります。
当社の製品は各種の部品が動くタイプのものが多く、そうしたものをデザインする際には実際の動きを確認する必要があります。
デザイナーが頭の中で動きをイメージ出来たとしても、実際に作ってみると問題が生じたりする事が多々あります。そういったトライ&エラーのサイクルを早く回すことができるという意味で、3Dプリンターが大いに役立っています。

3Dプリンターを導入する前は、試作品はすべて手作業で作っていました。バンドソーやボール盤、フライス盤といった加工機械で削る、切る、といった本当の手作業です。
そうした作業には膨大な時間がかけられていました。3Dプリンターを導入した事で、そうした時間をセーブする事が可能になりました。

 イエロー様社内で稼働中のニンジャボット

データのやり取りが簡単になったというメリットもあります。デザインした部品の3Dデータを機構設計屋さんに送って3Dプリンターで出力してもらい、現物を確認してもらえる。
以前でしたらこちらが手作業で作ったものを宅急便で送る必要がありました。それが必要なくなったのは非常に大きなメリットです。
3Dプリンターを導入した事で、モノづくりがデジタル化したと言えると思います。

今後3Dプリンターの導入を検討される方へのアドバイス

今後3Dプリンターの導入を検討される方へのアドバイスですが、まずは出力を検討しているものの形状や大きさ、求められる仕上がりのクオリティなどを総合的に勘案し、それに最もマッチする3Dプリンターを選ばれる事をお勧めします。
例えば、比較的小さいものを作る場合、出力に一定の精度が求められるケースが多いです。その場合、例えばNinjabotの場合、300シリーズよりも200シリーズを選ばれる方がベターです。
一方で、比較的大きなものを出力するのであれば300シリーズを検討すべきでしょう。

小さいものから大きなものまでの出力を、すべて1台のプリンターで済まそうとするのは難しいと思います。
購入前に出力テストなどをしてもらって仕上がりを確認し、ベストな3Dプリンターを選ぶようにするのがおすすめです。

株式会社イエローのホームページ
http://yellow-inc.com/