3Dプリンターでは3次元CADで作ったデータに基づいて立体物を造形するわけですが、3次元CADで作ったデーターは形の情報しか持っていません。
例えば次のサイコロの形は『縦横高さが〇〇㎜の立方体』というだけです。でも実際には中身がびっしり詰まっているサイコロもあれば、中身が無くてスカスカな中空のサイコロもあるわけです。
そこで3Dプリンタで物を作るときにはその形をどのように作るのかを作る側が決めてあげなくてはなりません。
例えば中味の密度を100%に指定して作ると次のように作ります。
次に中身を中空つまりスカスカな状態にして作ると
その中間ですと中身がメッシュ状になるなど作り方はいろいろできます。
さらに、上記の3つ例では周囲の外枠の壁を1周作り、中身を埋めるという作り方をしていますが、外枠の壁を何周も回して丈夫な壁を作るという方法も可能です。下の例では壁を5周描いています。
この様にひとくちでサイコロといっても作り方によっていろいろな作り方ができ、基本的にはどうやって作るかは作る側が自分で決め無くてはなりません。プリンターが勝手に決めてくれるわけではありません。
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樹脂を積層するタイプの3Dプリントの基本的な原理
3Dプリンターと一口に言っても色々な方式がありますが、溶かした樹脂(プラスチック)を薄く1層ごとに積み重ねていくタイプの3Dプリンターが現在の市場においては最も台数が普及していて一般的なタイプといっても過言ではありません。
しかし、実際の3Dプリンタを真近で見たことがない方にとっては3Dプリンタで立体物が作れると聞いてもどのようにして作られるのかいま一つよくわからない方も多いかと思われます。
そこで簡単に原理を説明させていただきたいと思います。
まず、樹脂積層タイプの3Dプリンターは上からひも状の固く細いプラスチックを押し込んで、加熱したノズルでそれを溶かして先端からにょろにょろと細く押し出します。これを面状に塗り拡げて、その面を何層にも積み重ねて立体物を作り出します。
この押し出された樹脂の直径は標準で0.4mmφくらいが多いです。
これがプラスチックが押し出されてくる様子です。動画で見てみましょう。
上の方にある細いブルーのひも状のプラスチックを歯車で挟んで下に送り込みノズル部で溶かして先端から押し出しています。押し出された直後は柔らかい状態ですが冷えるとすぐ固まります。
この僅か0.4mmの直径で出てくる溶けた『線状』のプラスチックを造形テーブル上に端から置いていき、それを『面』にして、その面を何層にも積み重ねていきます。けっこう時間がかかる根気のいる作業です。
ここからは造形される様子をCG動画で見てみましょう。CG動画で見ると分かり易いです。まずは簡単な形状の四角いサイコロのような形を細い線状のプラスチックでどうやって作っていくのかご覧ください。
3Dプリントの基本的な方法はまず外周部をなぞり、その内側を端から塗り潰していきます。鉛筆で塗り絵をするような感覚です。塗り絵の場合は厚みがありませんが、3Dプリントの場合は絵とは違うのでほんのちょっとだけ厚みがあります。この厚みが積層ピッチと呼ばれるもので1層の厚みです。特別な場合を除き、大体この1層の厚みは0.1~0.2mm程度にする場合が多いです。
幅0.4mmの細い線を0.1mm位の厚さで端からずっと延々と並べて面を作るという気の遠くなる作業です。これをひたすら繰り返し、面が塗り潰せたら1層分の厚みだけ上にあげてまた同じことを繰り返します。
ですので仮に1層の厚みを0.1mmに設定して高さ10センチのものを作ろうとすると実に1000層も重ねることになります。
けっこう地道な作業なのです。
ちなみにもう少し複雑な形の場合はこちらです。ペン立てです。
サイコロみたいな簡単な形じゃなくても立体物が出来上がる原理がおよそイメージできるかと思います。
フィラメント
フィラメント (filament) とは細かい糸状の構造を指す。ラテン語で糸を意味するfilumに由来する。
とウィキペディアに記載されています。
FDM方式の3Dプリンタ-の熱可塑性樹脂糸もフィラメントと呼ばれます。
主な樹脂はABSそしてPLA。
昔から様々な製品で用いられているABS。
原材料の入手が容易なこと、出力したものが完成品と同じ樹脂で作れるなどの理由があるそうです。
そしてPLA(ポリ乳酸)。
農作物由来の樹脂で、生分解性プラスチック。
FDM方式で造形した際、ABSよりも反りにくく造形性がいい。
と、数多くあるフィラメントの一部だけを抜粋してみましたが、
世の中にはホントに多くのフィラメントが流通しています。
ABS、PLAについてもメーカーによって考え方が異なり、造形性や性能、色、艶などが異なります。
3Dプリンターを購入したけれど、どうもうまく造形出来ない。
造形結果に納得がいかないといった場合、
使用しているフィラメントを変えてみるというのも一つの方法です。
形状、設定方法等によって様々な組み合わせがあります。
造形の趣旨は変わってしまいますが、ピッタリなフィラメントを探してみるのはいかがでしょうか?
ニンジャボットではPolymaker社のフィラメントを取り扱っております。
それ以外にも、気になるフィラメントありましたら、ご相談ください。
多くのフィラメントの取引実績がありますので、お力になれると思います。
三次元CADセミナーを開催いたしました
弊社店舗にてCADセミナーを開催いたしました。
今回は、大学院生が受講されました。
CADといえば、
「三次元CADって難しそう」
「専門家が使うソフト」
「高いから手が出ない」
このようなイメージを持たれている方、多いのではないでしょうか。
実は、そこまで難しくないのです。
この『難しくない』という部分をわかって頂くためのセミナーです。
「でも、ソフトが高い」
そうなんです。高いソフトは車が買えるくらいの値段が・・・。
ところが、学生や個人、一部の事業をされている方向けに無料~低価格で提供されているソフトがあるのです。
セミナーではその中の、『Fusion360』(AUTODESK社)をもとに
説明をしております。
CADソフトの使い方の流れはソフトが変わっても、似たような使い方のものが多いです。
使い方を理解していけば、『難しい』イメージは減っていくと思います。
とはいえ、いきなり自動車を作りたいとか、ロケットを作りたいというところまではいけません。
使い方を覚えながら一歩ずつ進んでいきましょう。
自分がパソコンの画面上で作り上げたものを実際に作ってみる方法の一つとして3Dプリンターがあります。
セミナーでは作った3Dモデルを実際にプリントするところまで含まれています。
なんとなくイメージしていたものを、もっと具体的に考えられるお手伝いができればと考えています。
定期開催しておりますが、少人数制での開催のため、
予め確認して頂ければ、定期開催日以外でも対応可能です。
不明な点はお問い合わせください。