新機種発売および、廃版のお知らせ

2015年3月2日(月)より、これまでのFDM-200シリーズに加え、さらに大きいものを作りたいというユーザー様のご要望にお応えし、ワークエリアの大きいFDM-300シリーズを発売させていただくことになりました。
この300シリーズをお買い求めいただきますと最大300mm×300mm×300mmサイズの造形物を作ることが可能になります。
(デュアルヘッドモデルでは270mm×300mm×300mmとなります)

また、300シリーズの発売に伴い、2015年2月末日をもって次の2機種を販売終了とさせていただくことになりました。

<販売終了機種>

・FDM-200
・FDM-200H

これに伴い、新たに加わる機種を含め、すべての機種の形式も変更になりました。

・FDM-200(旧称:FDM-200H-X)
・FDM-200W(旧称:FDM-200HW-X)
・FDM-300
・FDM-300W

今後とも、3Dプリンター Ninjabot(ニンジャボット)をどうぞ宜しくお願い致します。

Ninjabotには一般的な家庭用3Dプリンターにあるテーブルの傾き調整ネジ(水平出し)が付いていないように見えるのですが、水平出しはどこで行うのでしょうか?

よくいただくご質問ですが、確かにニンジャボットには一般的なパーソナル3Dプリンターにあるテーブルの水平調整ネジ(機構)はありません。

精度のいいアルミフレームの上に乗っかるように精度よく設置された2本のシャフトを介し上下には動かず前後方向だけに動くテーブル構造ですので、テーブルが上から下に降りてくる構造のプリンターに多い片持ちテーブル(テーブルの支点が片側にしかない)に比べ、大きく重いものを造型しても構造上テーブルがおじぎする(傾く)ことがないので調整機構はありません。

ニンジャボットも開発段階ではテーブル4隅に水平調整のネジがあり、その状態で各種実験を繰り返していましたが、実際に調整してみるとわかりますが、4点のネジでテーブルの傾きを調整しようとしてもなかなか傾きは調整できません。

例えば、右手前が他より2㎜位低そうだと思ってそこを2㎜上げて測りなおすと今度は先ほどは大丈夫であった他の3か所の高さも微妙に変わってしまいます。テーブルの素材そのものはどのようなプリンターであっても、平滑なガラスやプラスチック、金属板などからできていて曲がるものではないので、3か所の高さを変えずに1か所だけ変えることはできない為、1か所変えると他も変わってしまい、4点の高さを揃えるには何度も何度も繰り返しネジを回して調整を繰り返さなくてはならず、思っている以上に時間がかかります。
そのようにして苦労して調整して何とか水平が出たと思って射出実験を繰り返していた初期型モデルよりも、現行の調整機構がないものの方が実際に計測してみると、はるかにテーブルの水平度が高い状態になっています。
よってニンジャボットは煩わしいテーブルの水平出しの必要性そのものがありません。

当社では現在3Dプリンタを部品の試作などに使っています。造形精度にはある程度満足してるのですが、この度、耐溶剤性を求められる環境下で治具を使う必要が出てきましたので
耐溶剤性があるフィラメントを使いたいのです。

ところが現在使用している3Dプリンタはメーカー純正のABSとPLAフィラメントしか使えないようになっているため、
付属のソフトではプリンタヘッドの加熱温度をはじめ各種設定項目を自由に設定出来ないので
社外品のフィラメントが使えなくて困っています。御社のプリンターはそのあたりはどのようになっていますか?

ニンジャボットは当社推奨品以外のフィラメントの使用にも柔軟に対応しています。

現行のモデルでは240℃程度の加熱温度までで溶解できるフィラメントでしたら、ほとんどのものに対応できると思っております。
もちろんフィラメントの種類やメーカーにより特性が違いますので、綺麗に造形するためにはフィラメントの押出速度や引き戻し速度など、プリンターをお使いになる方が適宜調整するなどの工夫は必要ですが、フィラメントを溶かして射出するということに関してはほとんどのものに対応できると思います。


現在、プラスチックの切削加工で試作品を作っていますが、外部へ出すと1週間から10日くらいかかるので、期間短縮のため社内で3Dプリンターを導入し、内製化できないか検討しています。製作サイズをもう少し拡大してほしいのですが、対応可能でしょうか?

よくある質問「カスタマイズについて」の答えと同じになりますが、

(1)造形時間があまりにもかかりすぎること
(2)造形の失敗リスクがあること

を考慮すると、当社としましては、このサイズのマシンはいまだ製品に足る充分な検証、評価ができていませんので大きなものは作れません。
今後求められているテーマであることは確実ですので、いましばらくお待ちください

本体のみを購入すれば立体物の製作が出来るのでしょうか?



残念ながら、本体のみでは製作はできません。
紙のプリンターがあってもWordやExcel、Illustratorなどで作成したデーターがないと印刷できないのと同様に、別途3次元立体データー(3DCADまたは3DCGなど)が必要になります。

3次元立体データーは3DCADまたは3DCGなどをご用意いただき(有償、無償版がございます)、ご自分でデーターを作成する必要がございます。
ただし、試しに何か立体を作ってみたいという場合にはインターネット上には無償で使えるライセンスフリーの3Dデーターを集めたWEBサイトがいくつかありますので、そちらからデーターをダウンロードしてきて作ってみることも可能です。


また、それとは別に『スライサー』と呼ばれるソフトも必要となります。これは3DCADや3DCGで作成した3次元立体データーを3Dプリンターで印刷して形にするために『フィラメント(材料の樹脂)を何度で溶かすのか』とか『どのくらいの速さで印刷するのか』とか『1層ごとの厚みはどのくらいにするのか』などプリント条件を決めて3Dプリンターが動くための指示データーに変換するためのソフトの総称です。
これらも有償のものから無償のものまでインターネット上にありますので必要に応じてご用意いただくととになりますが、無償のものでも十分にお使いいただけます。


推奨品のフィラメントを使った場合の保証はどうなりますか?

推奨品以外のフィラメントを使った場合の保証についてですが、当社推奨フィラメントであっても推奨品外であっても、フィラメントがノズルに詰まるということは現在のデスクトップ型3Dプリンターについてはある程度つきものだと考えています。
樹脂が出てくるノズルの穴径は直径1㎜にも満たないわずか0.4㎜というごく小さい穴であり、何らかの異物があるだけでも詰まることがありますし、ノズルと成型テーブルの隙間(クリアランス)調整がうまくいかなかった場合にもノズルが詰まることがありますので、ノズルは消耗品とさせていただいており、ノズル詰まりは当社推奨フィラメントであっても推奨品以外であっても同様に保証の対象外とさせていただいております。

カスタマイズが可能とありますが、どのくらいのカスタマイズが可能なのでしょうか?


カスタマイズについてですが、まず一番ご相談が多いのがサイズの変更についてです。
メインフレームを拡大することでどこまでも大きくできそうなイメージがありますが、現行のニンジャボットFDMシリーズにつきましては成型テーブルサイズが300x300程度が上限だと考えております。

その理由は大きく分けて3つ。

(1)あまり大きくしすぎると成型テーブルの水平精度が確保できにくい

現在のニンジャボットは精度のいいアルミフレームに2本のシャフトでテーブルを支える安定した構造により成型テーブルの水平度を確保し、テーブルの素材もアルミ板のベースに平滑度の高いガラスカバーを使っていますが、いくら平滑度の高いガラスとはいえガラス板そのものは全くフラットではなく表面平滑公差が±0.2㎜程度はあり、ガラス板を大きくすればするほど物理的に平滑度の確保が難しくなります。
3Dプリンターの樹脂が溶け出てくるノズルと成型テーブルの隙間(クリアランス)の調整は一般に約0.1㎜程度が適切とされ、その隙間を微調整します。よってガラス板そのものの表面平滑度の影響は大きく、あまりテーブルが大きくなりすぎると平滑度の許容を超えてしまうためテーブルへ造形物を付着させるのがかなり微調整が必要となってしまいます。

(2)テーブルが前後に動く構造のため筐体のサイズがとても大きくなってしまう



(3)サイズが大きいと極端に造形時間が長くなる

時々造形サイズを500x500x500㎜や1000x1000x1000㎜のものも作れないかというお問い合わせをいただきます。
ごく大雑把に言ってしまいますが、500x500x500㎜くらいのサイズのものを作ろうとした場合、造形時間が5日~1週間くらいかかってしまうのが現状です。

また、現時点での3Dプリンターはいまだ成型が100%成功するわけではないのが実態ですので、数日かけて制作したものが途中でうまくいかなくなったりした時の時間と材料費の損失が大きすぎるので、やみくもに造型エリアを大きくするのが最善策ではないと考えられます。
また、そもそもうまくいくとしても、1つのものを作るのに1週間という時間がかかるものって加工方法としてどうなのか・・・という問題もあります。
よって大きなものを出力したい場合には現時点ではパーツを分割し、リスクを軽減して出力することをお勧めしております。



上記のようなことを踏まえまして、ワークサイズは300x300x300程度が現時点での上限とさせていただいております。この範囲であればサイズ変更に対応が可能です。

では「絶対にこれ以上はできないか」と言えばそうではなく、上記以上のサイズや仕様に関しても対応させていただきますが、構造から全く新しいものを開発するという形でのご対応になります。
そのようなご相談もお請けできますので、お気軽にご相談ください